

脂腺母斑
生下時から頭部、顔面に黄色で表面がざらざらしたアザがあり、成長と共にイボ状に変わってきます。まれですが、将来悪性化する可能性があるとも言われています。脂腺母斑に毛は生えないので、頭髪内にあると禿となります。目立つ場合は切除術を行います。
表皮母斑
生まれつき数ミリ大の肌色や褐色のイボが連なるようにできています。通常、悪性化することはありません。目立つ場合は切除します。高周波メス、炭酸ガスレーザー、エルビウムヤグレーザー等で一つ一つ削りますが、小さく再発することもあります。削ったところは傷跡になりますので、大きい場合は切除して縫合し、細い線状の傷跡にした方が目立たないこともあります。
青色母斑
濃青色で硬いホクロの様な腫瘤です。普通のホクロより皮膚の深い部分にあります。ホクロと同じように高周波電気メス、炭酸ガスレーザー、エルビウムヤグレーザー等で削る治療を行うこともありますが、肥厚性瘢痕になりやすいので、大きい場合はメスで切除して縫合したほうが傷跡が目立たない場合もあります。
神経線維腫
肌色か少し赤色の、半球状の柔らかい良性腫瘍です。目立つ場合は切除します。
皮膚線維腫
成人の四肢に生じる、褐色調の硬い良性腫瘍です。複数個生じることもあります。目立つ場合は切除します。
ガングリオン、粘液嚢腫
関節包に生じる袋状の腫瘤です。袋の中には淡黄色透明のゼリー状の液体が入っています。手背、手関節に生じることが多いです。中身を注射器で吸い出せば一旦は平らになりますが、ほとんどはすぐにまた溜まってきます。根本的にはガングリオンが生じている部分の関節包を切除する手術を行います
粘液嚢腫は指の第一関節付近に生じます。関節の変形が原因となっている可能性があります。大きくなると皮膚が破けて中身の粘液が出ることもあります。爪甲の変形を起こすこともあります。関節包や変形した骨を切除する手術を行います。
口唇粘液腫
口唇の粘膜下に、唾液が溜まった薄い膜の丸い袋ができています。つぶれてしぼむこともありますが、再発することも多いです。唾液腺管の損傷や閉塞が原因になっている可能性があります。
高周波ラジオ波メスで内腔を焼灼したり、手術で袋を摘出します。
粉瘤
毛穴に角質が溜まって大きくなり、袋状になったものです。袋を摘出する手術を行います。炎症を起こして赤く腫れることがあります。膿が溜まって腫れや痛みが強い場合は、切開して膿を出すこともあります。炎症が治まってから、改めて摘出術を行います。手掌や足底など、毛穴のない部位でも、外傷後に生じることがあります。
脂肪腫
皮下の柔らかい腫瘤で、長年かけて少しずつ大きくなります。摘出術を行います。
外骨腫
前額部のほぼ中央あたりに生じる硬い骨の腫瘍です。摘出術を行います。
眼瞼黄色腫
上眼瞼や下眼瞼に黄色で少し盛り上がった腫瘤が生じ、少しずつ大きくなります。
ある種の高コレステロール血症に伴って生じることもありますが、その場合は内服薬で縮小することもあります。しかし大半は高コレステロール血症とは関係なく、原因はよくわかりません。切除術の適応ですが、比較的再発しやすく、同じ部分に再度生じることもあります。
高周波ラジオ波メス、炭酸ガスレーザー、エルビウムヤグレーザー等で切除します。
治療後には瘢痕が残ります。初期は赤く硬いですが、通常半年ほどで白く柔らかい瘢痕になります。