心石形成外科

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レーザー治療研究所 レーザー治療研究所

レーザー治療研究所は、同じバスセンター9階の、診療所から少し離れた西側にあります。この研究所の主な設立目的は、アザやシミなどの治療がこれまでどのように行われて来たかという歴史と、現在の治療の実態を皆様に知ってもらうことにあります。

アザやシミの治療には、現在、レーザーが主として用いられていますが、これには長い歴史があります。今から40数年前に、アメリカのゴールドマン博士が、当時開発されたルビーレーザーを用いて黒アザの治療を試みました。当時、この論文を読んだ私は、間もなくレーザーでアザが簡単に治る時代が来ると大いに期待しました。しかし、期待通りの成果は得られずに終わりました。

その後もルビーレーザーを用いての治療や、続いて開発されたアルゴンレーザーによる赤アザの治療が行われましたが、はかばかしい結果は得られませんでした。

どうやら効果的な治療が出来るレーザーが開発されたのは、20数年前の色素(ダイ)レーザーでした。これによって赤アザの治療が出来るようになったのです。画期的なことでした。私が夢にまで待ち望んでいたレーザー治療の幕開けです。

その後、約18年前にQスイッチ付きルビーレーザーが開発されて、青アザや茶アザの治療に効果を発揮するようになりました。Qスイッチ付きアレキサンドライトレーザーやヤグレーザーなどが次々に開発されました。これらは現在のレーザー治療の主役です。

人間の欲望には限りがなく、その後、脱毛レーザーやしわを取るレーザーの出現を見ています。アザなど、社会生活にとってハンディキャップとなる疾患の治療から、現在は美容面での需要にレーザーは使われつつあります。

しかし、医療の原点は疾患の治療にあります。当院ではアザやシミなどの社会生活上支障となる外観の改善を目指す治療を行っております。

そこで、医療の原点に返って、アザの治療の歴史を辿っていただくために、レーザー治療研究所では、私が講演したNHKテレビ「きょうの健康」の「アザの治療-1985年」および「アザとシミの治療-1991年」のビデオの供覧と、その後に導入したレーザーによるアザやシミの治療について、スライドによる解説を行なっております。

業務内容

●各種レーザーによる治療法の研究・解析および治療効果の改善

対象:アザ・シミの治療、しわの治療、脱毛および入れ墨の治療

●レーザー治療の知識の普及

方法:ビデオ・スライド・パンフレットなどによる治療法の解説

業績

【1】 レーザー治療用冷却装置の開発

 「トピックス-U」で説明しました「圧迫式皮膚冷却装置」は2000年より開発に取り掛かり、2003年9月より主として赤アザの治療に用いられています。 まだ、世界で一台しかありません。

レーザー治療用冷却装置1
①レーザー照射部(冷却ガラス面)
各種レーザー機器の照射パーツ(ハンドピース)を装着して、皮膚を冷却しつつ治療する
②温度調節部
皮膚に接触するガラス面の温度を電気的に0°C 付近に調節する
③内蔵冷却装置
ガラス面の熱を吸収して連続的に皮膚を冷やす装置
レーザー治療用冷却装置2

この装置はレーザー治療機のレーザー光発射部分(ハンドピースと言います)に取り付けて、治療する皮膚を冷却する装置です。冷却することによってレーザー治療の痛みが著しく低下し、かつ、レーザーの火傷による表皮剥離も生じません。これまでにもフレオンガスを瞬間的に吹き付けて冷却する方法はありましたが、これに比べると、皮膚に圧着する部分をガラスにして、電気的に0℃前後にまで冷却したガラス面を長時間押し当てるので、冷却効果は抜群です。また、押し当てることによって皮膚の表面近くの血管を圧迫して血液を排除しますので、その部分の血液中のヘモグロビンに吸収されるレーザーエネルギーの損失がなくなり、皮膚の深い部分からの治療が可能となります。

通常の治療は、皮膚の表面から治療を開始するため、焼けた血管が瘢痕化してレーザーのエネルギーを通しにくくします。そのため、皮膚深部の血管腫が残りやすくなりますが、この装置を用いての治療では皮膚深部からの治療開始となりますので、皮膚深部の血管腫が治りやすくなるのです。

なんといってもこの装置の一番の長所は以下の通りです。

1)痛みがほとんどないので、乳幼児、小児も麻酔なしで通院治療できる。また、広い範囲が保険適用で治療できる。
2)水疱形成がないので、治療直後に化粧して帰れる。
3)水疱形成後の表皮剥離がないので、術後の着色などの予防が不要である。
4)痛みと表皮障害が軽度なので、より強い出力での治療が出来る。
などです。

ちなみに、2003年9月から2006年8月までの3年間に、この装置で治療した患者さんの症例数は300名を超えました。極めて良い結果を得ています。

【2】 ルビー・レーザーの改良

2010年4月には4本のレーザー発振管を使ったルビー・レーザーが厚生労働省の認可を受け発売されました。従来は2本で発振していたため、焦点の形がひょうたん型になり、焦点中央の出力が弱い欠点がありましたので、これを改良したものです。

1998年、ニーク社製ルビー・レーザー「MODEL IB 101」第一号機を購入し、この欠点の改良に4本管の採用を指導しておりましたが、ようやく実現しました。

また、2010年8月からは、ジェイメック社製ルビー・レーザー「The Ruby Z1」の改良型が厚生労働省の認可を受け発売されました。これも1昨年5月購入以来、各種改良を提案してしていたものです。

ジェイメック社製ルビー・レーザー「The Ruby Z1」は、東芝製ルビー・レーザーの後継機で、カライドスコープを用いて焦点の形が6角形の均質な出力を実現したものです。

東芝製ルビー・レーザーは心石隆敏が広島市民病院形成外科主任部長時代の1991年に購入し、各種改良を指導してきたもので、今回の改良点も当時実現できなかった箇所を、ジェイメック社の優れた技術で完成させたものです。

当院は予約制です

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